鹿豚雑記

底辺でオタクでメンヘラいキメラがうだり倒すブログ

父親が嘘松

嘘松という言葉を知っているだろうか。

嘘松というのは、ここ1〜2年でネット上に広まった、「事実でないことをさも事実かのように話してみせる人」を指す言葉である。
確か、この言葉が生まれる発端となった人物が「おそ松さん」という作品にまつわる嘘ツイートをした結果、「おそ松」にかけた「嘘松」ということばができた、という経緯だったはずだ。おそ松さん側からしたらいい迷惑だと思う。

さて、今回私がする話の発端となるのは、その嘘松という言葉が生まれるおよそ11年前のことである。つまり、今からだいたいだいたい12〜13年前。
まずは私が小学校低学年のときに起こった、私の中の小さな事件から、私と父親との確執は生まれはじめる。

当時、私はそれはそれは素直で天真爛漫な少女だった。この頃の自分の写真を自分で見ると目が潰れるほどの純粋さだ。純粋すぎて見知らぬ中国人に車に連れ込まれそうになった。やべえ。
一方父親はすでに嘘松。思い出補正もあり、当時はまだマシな男だったように思えるが、だが疑いようがない嘘つきだったのは確かだ。

よく覚えている。季節は冬。
父親が運転する赤い軽自動車の、助手席に私は座らされていた。
北海道の東側にある田舎に私たちは住んでいて、その家に帰る道中、細長くて代わり映えしない景色で私が退屈しているのを見かねたのか、父親は、自分が小学生の頃の思い出を話し始めた。
父親はことあるごとに、私にむかって自分の過去の話をする男だった。
その時話していたことの内容は概ねこうである。

・近所に住んでいた友達4人と一緒に氷と雪とを固めて、直径150cmくらいある丸い氷塊を作った
・それを小さい山の中まで持っていき、厄介者の頑固おやじの家にぶつけてちょっと家を壊してやった
・頑固おやじから逃げ切った挙句、近所中のヒーロー扱いをされた

いやもうどーーーー考えても嘘松でしょ。
小学校低学年のガキが私の身長くらいある氷塊を作り上げる時点でやべーのに、それ持って真冬の山登って?オッサンの家にぶつけて?ヒーロー扱い?
いやどう考えても警察沙汰じゃん。弁償しろや。そんなん聞いたら近所のババアもヒーロー扱いせずに首根っこ掴んで親につき出すでしょ。

いや、でもまだわからない。
もしかしたら、幼い娘のために愉快な話をでっちあげたいい父親なのかもしれない。(もちろんそんな事はない。自分でこの一文を書きながら吐き気がしてきた。)

しかし、問題なのはこの話を聞いたという事ではない。
そもそもこの話を聞いたとき、私はそれを全く疑わなかったのだ。それどころか、私は確か、話を聞いて嬉しくなったのだ。父親にも私と同じ、馬鹿な時代があったんだと。

それから1年後、これまた冬のある日、私はふと1年前に父親から聞いた話を思い出し、そしてもう一度聞かせてほしいと父親に尋ねてみたのだ。

そりゃもう、怒鳴られた。
「俺がそんな犯罪じみたことする訳がねえだろ」と頭を殴り。「ふざけたこと言ってんじゃねえ」と腿を蹴り。そのまま数時間説教コースである。確かに父親自身から聞いたことだと1度だけ反論したが、痛いのは嫌だったし、何しろ父親にはどんな正論を言ったところで怒鳴りかえされるだけだと学習していたから。
いや〜〜〜嘘つくならせめて辻褄合わせにいけよ。忘れてんじゃねえぞ。アホなの?

とにかく、私はこの一件以来めっきり父親の話を信じなくなった。
父親自身は、私が話を信じていないことに気付いていないようで、週6くらいで何かと自分の経験談を語り聞かせてきた。
純粋だった私が孤立し、似非メンヘラと化し、友達を作っては劣等感から自ら手放し、デブスになっていく12年の間、ずーーっと。
ちなみに矛盾を指摘されると無茶苦茶な理屈で反論した挙句、不機嫌になって罵詈雑言を吐いてくる。嘘松中学生以下だ。「オマエは無能だからどこに行っても働けない、風俗で股でも開いてろ」と言われたのを鮮烈なくらいに覚えている。

とにかく山ほど話をしてきた父親だったが、その経験談の9割以上はおそらくでっちあげだ。
根拠ならある。
父親の話す経験談は主に3種類である。
「偉い人と仲良くした俺の話」。
「やけに事件に巻き込まれる俺の話」。
そして、特に多いのが最後。
「バカを華麗に論破した俺の話」だ。

父親経験談とやらをすべて信じるとすると、あの男の知り合いには100人位社長がいる事になるし、あの男は300回は死体を見た超巻き込まれ体質になるからだ。その上500回は愚かなる人間を論破している。
金○一少年や苗○誠も真っ青だ。

いくつか紹介する。

「死体をを発見した話」。同じような話だけで100回は聞いている気がするのだけれど、場合によって死人の性別、自殺他殺事故のどれなのか、死の理由など全く別なので異なるエピソードなのだと思う。たぶん私の父親はコ○ンなんだと思う。

「経験人数が4桁以上だという話」。年頃の娘に経験人数自慢すんじゃねえよって。そもそも父親のアレは結構な短小だったはずなので(母親談)、短小が4桁突破できるわけないのである。

「浮気現場に乗り込んだ話」「頭のおかしい女を追い払った話」。どんな話か知りたければ『鬼女 まとめ スカッと』あたりで検索すればいいと思う。本当にあのままである。ちなみに父親まとめサイトが大好きな人間だ。

まだまだあるけれど正直おもいだしたいはなしでもないのでこれで終わり。
もう、どれもこれもびっくりするくらい嘘松でしかない。ここまで怪しいと一周回って正しく聞こえるまである。
マックで女子高生が拍手されるくらいのヤバさだ。

こんなに沢山の経験を持つ父親だ、さぞ勝ち組のように思えるが、実際の姿は同じ年代の男の半分よりずっと下の年収で、光熱費を妻の実家に全額持ってもらい、一方で1日にタバコを2〜3箱消費する50過ぎのオッサンである。理想と現実はかくも激しく乖離するものだなあと思う。昨日は私の財布から無断で7000円を黙って抜いて逆ギレしていた。どんだけ金ないんだよ……

まあ何が言いたいかって、自尊心を満たすためだけの嘘をつくのはやめようね。
さもなくば子供がメンヘラになるぞ。私のようにな!